第29話 嵐が過ぎて いつものカウンター席で、夕食を食べ終えたタロウは「のほほん」と果実ジュースを飲んでいる。 横ではプス子が嬉しそうに夕食 การแปล - 第29話 嵐が過ぎて いつものカウンター席で、夕食を食べ終えたタロウは「のほほん」と果実ジュースを飲んでいる。 横ではプス子が嬉しそうに夕食 อังกฤษ วิธีการพูด

第29話 嵐が過ぎて いつものカウンター席で、夕食を食べ終えたタロウは

第29話 嵐が過ぎて
いつものカウンター席で、夕食を食べ終えたタロウは「のほほん」と果実ジュースを飲んでいる。
横ではプス子が嬉しそうに夕食をおかわりし続けており、メデ美は食後のデザートである生クリームの乗ったパンケーキを「なんたる美味!」と呟きながら幸せそうに食べていた。

太陽も沈んだ夕食時、この時間帯はレイデの酒場もそれなりの盛況をみせるのだが、この日はタロウ達以外に客は誰もいなかった。

レイデはいつも通りにカウンター内の厨房で、静かに仕込み作業を行なっている。

静かな店内にレイデの包丁の軽快な音が小刻みよく響く。

「(ま……恥ずかしくて誰も来れないわな……)」

タロウは心の中で苦笑いをしながら呟く。

今日「傀儡くぐつの魔王」の配下がレイデの酒場を襲撃してきた際に、この店の常連客達は誰1人としてレイデを助けようとはしなかったのだ。
ただ、遠巻きに野次馬として眺めているだけだった。

「(……というか、遠巻きに見ているしかないよな。難民街の魔物殺し達に、要塞都市の三大ギルドの一つに歯向かえという方が、無茶な話だもんな)」

タロウは厨房の具材を煮ているお鍋の湯気を眺めながら、果実ジュースを一口だけ飲む。

「(しかし、レイデさんは気丈な女性だよな……。あんな事があったのに、いつも通りに酒場の女将の仕事をしているなんて……。やはり命を懸けて対魔物の仕事をしていただけの事はあるのかな。いや、でも……やっぱり女性だもんな。傷ついていないわけがないよな……)」

あの事件の後、レイデはすぐに服装を整えると、外で呆然と成り行きを見守るしかなかった魔物殺しなどの常連客達に向かって「今日もこのまま営業するから食べに来てね」と微笑みかけた。
流石に情けなさを痛感したのだろうか、常連客達は皆、一様に俯いて沈黙するしか無かった。

「(……でも、皆のお陰で片付けは、すぐに終わったから助かったな)」

常連客達はあの後「傀儡の魔王」の配下である魔物使い達の亡骸を、難民街の共同墓地に運んで埋葬し、無力化したミノタウロス達は、タロウの指示通り荷車に乗せて外に運び出して、野生に解放するという作業を手伝ってくれたのだった。
そして、荒らされた店内の片付けも皆が手伝ってくれたのだが、夕飯時のレイデの酒場には客は誰1人として来なかった。

「(……さすがに今日の今日では来れないか。少しは時間が要りそうだな……)」

タロウもデザートのパンケーキをナイフで切って、パクリと口に放り込む。
ふんわりと柔らかい生地と、甘い生クリームの美味しさに心が幸福感で満たされる。
店内には静かな時間が流れ、タロウがもう一口、パンケーキを食べようとした時だった。

「――レイデーーーーーー!!!!!!!」

酒場の入り口からドスの効いた女性の大声が飛び込んでくる。
タロウが慌てて酒場の入り口を見ると、入り口に手をついて荒い呼吸を繰り返すリベラの姿があった。
どうやら、今日の事件を聞きつけて駆けつけて来たようだった。
いつもとは違い細いウエストには太い黒ベルトが巻かれており、そこには道具袋、携帯型の折りたたみ式ボウガン、鞭むちなどの装備品が装着されている。

リベラは銀色の髪を揺らしながら早足で店内に入ってくると、何食わぬ顔でいつも通りに仕込みをしているレイデに声をかける。

「――おいレイデ!
お前、大丈夫なのか!?
ケガは無いのか!?」

「見ての通りよ」

「…………そうか……はぁ。仕事で少し遠くに出かけていたから、情報を聞いて慌てて帰ってきたんだが、とにもかくにも無事で何よりだ」

安心したのかリベラは大きなため息を吐き出しながら、カウンター席に倒れこむように座る。

「……ところでレイデ。
レイプされたって聞いたんだけど?」

「ちょっと胸を揉まれた程度よ」

「……なんだ、その程度か。ま、犯されたとしても、生きてさえいれば復讐はできるからな」

「そういうこと」

レイデとリベラの会話を、パンケーキを食べながら静かに聞いていたタロウだったが、内心は唖然としていた。

「(……この異世界の戦う女性は……つ、強い。というか……もはや怖い)」

タロウは果実ジュースでパンケーキを胃に流し込む。

「で、噂では何やら凄腕の魔物使い様が、酒場の女将のピンチを救ったって聞いたけど?」

リベラは頬杖をついて半眼になりながら「わざと分からないふり」をしつつレイデに質問を投げかける。
レイデは包丁の手を休めることなく応える。

「ええ、うちの宿泊客であるタロウさんが、命の危険があるというのに、ただの酒場の女将である私を助けてくれたの。それはそれは格好良かったわ。あの「傀儡の魔王」の部下達を一瞬で血祭りよ」

レイデは包丁をまな板の上に置くと、両手を胸前で握り合わせて恋する乙女のように天を仰ぐ。

「そして、こう言ってくれたの。「傀儡の魔王」のギルドなんて俺が潰してみせます!!! 俺がレイデさんを命を懸けて守りますから!!ってね♪」

実に嬉しそうに話すレイデの言葉に、タロウは果実ジュースを吹き出す。
その話しぶりを聞いたリベラは怒りをあらわにする。

「――お前!! わざと負けたフリをして、タロ坊の優しさにつけこんだな!!!」

「(マ、マジですか!?)」

リベラの言葉にタロウは女性の強したたかさに驚愕する。

「――何を言ってるのよ! 私の足の古傷がどれほどのものかは貴方が一番知っているでしょ!!」

「うぐぐ!」

レイデの反論にリベラは言葉を詰まらせる。
どうやら、レイデが昔のような力を出せないのは事実のようだった。
それを聞いたタロウは内心「ほっ」とする。

「(……レイデさんがピンチだったのは事実なんだな)」

「というわけで、タロウさん。今日からは私の酒場の「用心棒」になってもらえると嬉しいんだけど。もちろん、宿泊代金は無料にさせてもらいますから」

レイデがウインクしながら提案してくる。

「え? 用心棒?」

タロウはレイデの急な提案に思わず聞き返してしまう。

「――あーー!? てめーレイデこの野郎!! それが狙いだったんだな!!! 宿泊費をタダにしてタロ坊を、ここにずーーーっと縛りつける気だな!?」

「うるさいわねリベラ。これは宿主と宿泊客の問題よ。外野は黙ってなさい。というわけでどう? タロウさん」

レイデがにっこりと微笑んでくる。

「え、ああ。今後の事を考えると「用心棒」という名前を持った方が、抑止力はさらに上がるでしょうね。ただ、無料というのはちょっと申し訳がないので、料金は払わせて頂きます」

「あら……そう? なら、宿のサービスの方をより充実させて、頑張らせてもらうことにするわ♪」

レイデが「にんまり」と微笑みながらウインクしてくる。

「は、はあ……それならまあ」

タロウは「食べ物が良くなるのかなー」程度に考えて納得する。

しかし、レイデの「怪しい」微笑みに、女の直感が働いたのかリベラが慌てて怒鳴る。

「レ、レイデ! お、お前、まさか!! 性的なサ――」

リベラの言葉を遮るように、レイデが怒鳴り返す。

「うっるさいわねリベラ!! 食事のグレードを上げるだけよ。あんたと一緒にしないでちょうだいな!」

「――ぐむむ!!」

ぴしゃりと言い返されて、リベラはカウンターに突っ伏してしまうのだった。


騒がしい会話の後、リベラはレイデの無事を確認できて安心したのか、果実ジュースを注文すると、気だるそうに頬杖をつきながらストローで飲んでいる。

「しっかし、タロ坊。あんたピンクメデューサに「多重処理詠唱マルチプルロード」を使わせたって本当かい?」

「なんか、そういうのがあるみたいですねー」

適当に応えるタロウに対して、呆れたようにため息を吐くリベラはレイデの方を見る。
レイデは真剣な表情でリベラに頷く。

「本当よ。私はこの目で見ましたからね。髪を蛇化させての多重詠唱。4体のミノタウロスの手足を、氷塊の枷をはめて一気に無力化させたわ」

レイデの言葉を聞いたリベラは、驚きと感心のため息を吐き捨てる。

「……どうやら本当みたいだね。ちなみに、その噂はもう要塞都市中を駆け巡ってるよ。要塞都市連中に限れば、まだまだ、どこまで信じるかにもよるだろうけど、肝心の「傀儡の魔王」は速攻で詫びの書状を部下に持たせて、私の所に来ていたわ。あれは部下の暴走だから本意では無いってね……」

「あらそう」

レイデはあっけらかんとした表情で応える。

「そういえばタロ坊。ここに来た「傀儡の魔王」の部下を、1人だけ生き証人として帰らせたんだってね」

「まあ、そんな感じです」

リベラは唇の端を上げて面白そうに笑う。

「タロ坊もなかなかに男じゃないか。「傀儡の魔王」がタロ坊の実力を知ったおかげで、先方が先に折れてくれたわけだ。三大ギルドはバランスが拮抗しているからね。正直に言って、レイデの為に「傀儡の魔王」の連中と戦争ができたかどうかは微妙なんだよ」

リベラは悔しそうに呟く。
それをレイデが優しく慰める。

「分かっているからリベラ。三大ギルドは、いわゆる三すくみの状態。弱みを見せれば、そこを突かれて食われてしまう。今件で言うならば「殲滅せんめつの王道」がきっと黙っていないからね」

「悪いなレイデ」

「いいのよ。私は辞めた人間だし、現役のリベラ達に迷惑はかけられないわ。それに、そもそもこれは私の意地で喧嘩をふっかけたわけだしね」

「タロ坊の為ってか?」

「当たり前じゃない。お姉さんが守ってあげるって約束したからね。でも、逆に助けてもらったし、これからは守ってもらう側だけども♪」

レイデは黒髪のポニーテールを揺らしながら、厨房内を動き回っている。

「あー……羨ましいなー……。ピンクメデューサに魔法を使わせる事ができる魔物使いを用心棒にできるとか、どんだけ幸運なんだよ」

リベラは口先を尖らせながらレイデを羨ましがる。

「なータロ坊ー。こんなボロ宿にいないでさー。私のマンションにおいでよー。最上階だから眺めもいいしー、部屋は一杯あるしー、風呂もあるしー、高級料理もあるしー、もちろん「あ・た・し」付きだし~♪」

リベラはタロウの頭を撫でり撫でりしながらタロウを誘惑する。

「誰の宿が「ボロ宿」なのよ!!」

レイデが聞き捨てならないと眉間にシワを寄せるが、リベラは全く気にもとめずにタロウの頭を撫で続ける。

「いやー、お誘いは嬉しいんですけども、俺、レイデさんの料理が好きなんで、ここでいいです」

リベラの誘いにどう応えるのかと、ジト目で見つめていたレイデは歓喜の声をあげる。

「――きゃー♪ その答えは満点よタロウさん!!」

レイデはカウンターから身を乗り出すと、タロウの首に抱きついて頬に熱烈なキスをしてくれる。

「(ま、正直な所、ヒモになるほどお金にも困ってないしな。他人と同居というか、ご厄介になるというのは気も使うし、そもそも魔物娘達とのラブラブ生活を満喫できないから、遠慮しておきたいところなんだよな。そんなことをするぐらいなら、野宿でもして自由に生きていく方がまだ楽しそうだ)」

タロウは「あははは」と苦笑いを浮かべるが、リベラは「ちぇっ」と口を尖らせて拗ねるのだった。

「しっかし、あのお固いレイデが、男の首に抱きついて頬にチューとはね。よっぽどタロ坊の事が気に入っているんだね~」

「――え!? あ、あら嫌だ!! 私ったら!!」

リベラに指摘されたレイデは驚きの声をあげると、タロウの首から慌てて離れて厨房にそそくさと戻る。

「……ま、私には「タロ坊との例の約束」があるからね。慌てず勝負させてもらうからいいもんね」

慌てるレイデをどこか楽しそうに見つめながらも、リベラは自信に満ちた笑みを浮かべながら小さく呟くのだった。
リベラは果実ジュースの残りを、ストローで吸い上げて飲み干すと席から立ち上がる。

「それじゃレイデ。私はそろそろ帰るわ」

リベラの呼びかけに、先ほどのパニックから少しだけ落ち着いたレイデが「あ、うん。またね」と厨房内で鍋の中身を混ぜながら返事を返す。

「タロ坊も今
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No. 29-story storm has passed Taro finished eating dinner, always counter with "carefree" and drinking fruit juice. Next to the Puss is happy dinner and instead and has been the media beauty dessert took whipped cream pancake "what delicious! "And were eating happily muttered. Ladies saloon even moderate success during this time dinner when the Sun sank, to show that this day wasn't taro were non-customer is anyone. Ladies always Street at counters in the kitchen and quietly doing the preparation work. Wiggle the lilting tones of the knife for the ladies to quiet sounds good.「(ま…… Trap shy, everybody can't come...) " Taro murmur and a wry smile in mind. Today "puppet than plant of Satan" of when has attacked the ladies bar under the regular visitors of this store help ladies as one of. Only from afar, watching as onlookers.「(…… I mean, watching from afar, but isn't. Talk about wanting to kill monsters in the refugee town 歯向kae in a fortified city three major guilds unreasonable Mon a) " Taro is overlooking the steaming pot is boiling the ingredients in the kitchen, drinking just fruit juice.「(しかし、レイデさんは気丈な女性だよな……。あんな事があったのに、いつも通りに酒場の女将の仕事をしているなんて……。やはり命を懸けて対魔物の仕事をしていただけの事はあるのかな。いや、でも……やっぱり女性だもんな。傷ついていないわけがないよな……)」 あの事件の後、レイデはすぐに服装を整えると、外で呆然と成り行きを見守るしかなかった魔物殺しなどの常連客達に向かって「今日もこのまま営業するから食べに来てね」と微笑みかけた。 流石に情けなさを痛感したのだろうか、常連客達は皆、一様に俯いて沈黙するしか無かった。「(……でも、皆のお陰で片付けは、すぐに終わったから助かったな)」 常連客達はあの後「傀儡の魔王」の配下である魔物使い達の亡骸を、難民街の共同墓地に運んで埋葬し、無力化したミノタウロス達は、タロウの指示通り荷車に乗せて外に運び出して、野生に解放するという作業を手伝ってくれたのだった。 そして、荒らされた店内の片付けも皆が手伝ってくれたのだが、夕飯時のレイデの酒場には客は誰1人として来なかった。「(……さすがに今日の今日では来れないか。少しは時間が要りそうだな……)」 タロウもデザートのパンケーキをナイフで切って、パクリと口に放り込む。 ふんわりと柔らかい生地と、甘い生クリームの美味しさに心が幸福感で満たされる。 店内には静かな時間が流れ、タロウがもう一口、パンケーキを食べようとした時だった。「――レイデーーーーーー!!!!!!!」 酒場の入り口からドスの効いた女性の大声が飛び込んでくる。 タロウが慌てて酒場の入り口を見ると、入り口に手をついて荒い呼吸を繰り返すリベラの姿があった。 どうやら、今日の事件を聞きつけて駆けつけて来たようだった。 いつもとは違い細いウエストには太い黒ベルトが巻かれており、そこには道具袋、携帯型の折りたたみ式ボウガン、鞭むちなどの装備品が装着されている。 リベラは銀色の髪を揺らしながら早足で店内に入ってくると、何食わぬ顔でいつも通りに仕込みをしているレイデに声をかける。「――おいレイデ! お前、大丈夫なのか!? ケガは無いのか!?」「見ての通りよ」「…………そうか……はぁ。仕事で少し遠くに出かけていたから、情報を聞いて慌てて帰ってきたんだが、とにもかくにも無事で何よりだ」 How relieved Rivera sit big sighing exhale, while seated at the counter knows all about us.「…… By the way, ladies. I'd heard you were raped? 」"I was massaged the chest level.「…… That's about what? Alive also was raped, and even revenge if you are able from a ""Those things" Taro was listening quietly while eating pancakes ladies and Rivera's conversation was secretly was flabbergasted.「(…… The women who fight for this world. One, strong. And I mean... No longer afraid) " Taro into stomach pancakes with fruit juice."Rumor is somehow became a no-holds-barred demons I heard the Messenger of Allaah saved the pinch bar-room Queen? 」 About Rivera, while not deliberately pretended while his ladies always ask questions. Meet without letting the ladies knife hand."Yes, I guest of taro's there risk their lives, though just Tavern owner who helped. It's looking good. In a moment that the puppet king men's blood Festival " Ladies put on the chopping block kitchen knife, and clasped her hands together in front of the chest fit koisuru otome to seek heaven.「そして、こう言ってくれたの。「傀儡の魔王」のギルドなんて俺が潰してみせます!!! 俺がレイデさんを命を懸けて守りますから!!ってね♪」 実に嬉しそうに話すレイデの言葉に、タロウは果実ジュースを吹き出す。 その話しぶりを聞いたリベラは怒りをあらわにする。「――お前!! わざと負けたフリをして、タロ坊の優しさにつけこんだな!!!」「(マ、マジですか!?)」 リベラの言葉にタロウは女性の強したたかさに驚愕する。「――何を言ってるのよ! 私の足の古傷がどれほどのものかは貴方が一番知っているでしょ!!」「うぐぐ!」 レイデの反論にリベラは言葉を詰まらせる。 どうやら、レイデが昔のような力を出せないのは事実のようだった。 それを聞いたタロウは内心「ほっ」とする。「(……レイデさんがピンチだったのは事実なんだな)」 「というわけで、タロウさん。今日からは私の酒場の「用心棒」になってもらえると嬉しいんだけど。もちろん、宿泊代金は無料にさせてもらいますから」 レイデがウインクしながら提案してくる。「え? 用心棒?」 タロウはレイデの急な提案に思わず聞き返してしまう。
「――あーー!? てめーレイデこの野郎!! それが狙いだったんだな!!! 宿泊費をタダにしてタロ坊を、ここにずーーーっと縛りつける気だな!?」

「うるさいわねリベラ。これは宿主と宿泊客の問題よ。外野は黙ってなさい。というわけでどう? タロウさん」

レイデがにっこりと微笑んでくる。

「え、ああ。今後の事を考えると「用心棒」という名前を持った方が、抑止力はさらに上がるでしょうね。ただ、無料というのはちょっと申し訳がないので、料金は払わせて頂きます」

「あら……そう? なら、宿のサービスの方をより充実させて、頑張らせてもらうことにするわ♪」

レイデが「にんまり」と微笑みながらウインクしてくる。

「は、はあ……それならまあ」

タロウは「食べ物が良くなるのかなー」程度に考えて納得する。

しかし、レイデの「怪しい」微笑みに、女の直感が働いたのかリベラが慌てて怒鳴る。

「レ、レイデ! お、お前、まさか!! 性的なサ――」

リベラの言葉を遮るように、レイデが怒鳴り返す。

「うっるさいわねリベラ!! 食事のグレードを上げるだけよ。あんたと一緒にしないでちょうだいな!」

「――ぐむむ!!」

ぴしゃりと言い返されて、リベラはカウンターに突っ伏してしまうのだった。


騒がしい会話の後、リベラはレイデの無事を確認できて安心したのか、果実ジュースを注文すると、気だるそうに頬杖をつきながらストローで飲んでいる。

「しっかし、タロ坊。あんたピンクメデューサに「多重処理詠唱マルチプルロード」を使わせたって本当かい?」

「なんか、そういうのがあるみたいですねー」

適当に応えるタロウに対して、呆れたようにため息を吐くリベラはレイデの方を見る。
レイデは真剣な表情でリベラに頷く。

「本当よ。私はこの目で見ましたからね。髪を蛇化させての多重詠唱。4体のミノタウロスの手足を、氷塊の枷をはめて一気に無力化させたわ」

レイデの言葉を聞いたリベラは、驚きと感心のため息を吐き捨てる。

「……どうやら本当みたいだね。ちなみに、その噂はもう要塞都市中を駆け巡ってるよ。要塞都市連中に限れば、まだまだ、どこまで信じるかにもよるだろうけど、肝心の「傀儡の魔王」は速攻で詫びの書状を部下に持たせて、私の所に来ていたわ。あれは部下の暴走だから本意では無いってね……」

「あらそう」

レイデはあっけらかんとした表情で応える。

「そういえばタロ坊。ここに来た「傀儡の魔王」の部下を、1人だけ生き証人として帰らせたんだってね」

「まあ、そんな感じです」

リベラは唇の端を上げて面白そうに笑う。

「タロ坊もなかなかに男じゃないか。「傀儡の魔王」がタロ坊の実力を知ったおかげで、先方が先に折れてくれたわけだ。三大ギルドはバランスが拮抗しているからね。正直に言って、レイデの為に「傀儡の魔王」の連中と戦争ができたかどうかは微妙なんだよ」

リベラは悔しそうに呟く。
それをレイデが優しく慰める。

「分かっているからリベラ。三大ギルドは、いわゆる三すくみの状態。弱みを見せれば、そこを突かれて食われてしまう。今件で言うならば「殲滅せんめつの王道」がきっと黙っていないからね」

「悪いなレイデ」

「いいのよ。私は辞めた人間だし、現役のリベラ達に迷惑はかけられないわ。それに、そもそもこれは私の意地で喧嘩をふっかけたわけだしね」

「タロ坊の為ってか?」

「当たり前じゃない。お姉さんが守ってあげるって約束したからね。でも、逆に助けてもらったし、これからは守ってもらう側だけども♪」

レイデは黒髪のポニーテールを揺らしながら、厨房内を動き回っている。

「あー……羨ましいなー……。ピンクメデューサに魔法を使わせる事ができる魔物使いを用心棒にできるとか、どんだけ幸運なんだよ」

リベラは口先を尖らせながらレイデを羨ましがる。

「なータロ坊ー。こんなボロ宿にいないでさー。私のマンションにおいでよー。最上階だから眺めもいいしー、部屋は一杯あるしー、風呂もあるしー、高級料理もあるしー、もちろん「あ・た・し」付きだし~♪」

リベラはタロウの頭を撫でり撫でりしながらタロウを誘惑する。

「誰の宿が「ボロ宿」なのよ!!」

レイデが聞き捨てならないと眉間にシワを寄せるが、リベラは全く気にもとめずにタロウの頭を撫で続ける。

「いやー、お誘いは嬉しいんですけども、俺、レイデさんの料理が好きなんで、ここでいいです」

リベラの誘いにどう応えるのかと、ジト目で見つめていたレイデは歓喜の声をあげる。

「――きゃー♪ その答えは満点よタロウさん!!」

レイデはカウンターから身を乗り出すと、タロウの首に抱きついて頬に熱烈なキスをしてくれる。

「(ま、正直な所、ヒモになるほどお金にも困ってないしな。他人と同居というか、ご厄介になるというのは気も使うし、そもそも魔物娘達とのラブラブ生活を満喫できないから、遠慮しておきたいところなんだよな。そんなことをするぐらいなら、野宿でもして自由に生きていく方がまだ楽しそうだ)」

タロウは「あははは」と苦笑いを浮かべるが、リベラは「ちぇっ」と口を尖らせて拗ねるのだった。

「しっかし、あのお固いレイデが、男の首に抱きついて頬にチューとはね。よっぽどタロ坊の事が気に入っているんだね~」

「――え!? あ、あら嫌だ!! 私ったら!!」

リベラに指摘されたレイデは驚きの声をあげると、タロウの首から慌てて離れて厨房にそそくさと戻る。

「……ま、私には「タロ坊との例の約束」があるからね。慌てず勝負させてもらうからいいもんね」

慌てるレイデをどこか楽しそうに見つめながらも、リベラは自信に満ちた笑みを浮かべながら小さく呟くのだった。
リベラは果実ジュースの残りを、ストローで吸い上げて飲み干すと席から立ち上がる。

「それじゃレイデ。私はそろそろ帰るわ」

リベラの呼びかけに、先ほどのパニックから少しだけ落ち着いたレイデが「あ、うん。またね」と厨房内で鍋の中身を混ぜながら返事を返す。

「タロ坊も今
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ผลลัพธ์ (อังกฤษ) 3:[สำเนา]
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Always counter seat after the storm, the story of taro 's "fruit juice had finished eating dinner. And at dinner with my happy place in horizontal pumps, WP MEDICOM toy beauty of fresh cream as dessert after a pancake "what a delicious!" While eating, and begin to be happy. As the sun set up dinner time, this time I will be part of the fluidic bar, no taro in other guests. TooLei as usual in the kitchen counter, quiet preparation work is carried out. The store was too quiet sound of IDE ring knife bit by bit.

「( into... I will not one... " Said with a wry smile in your heart too taro. In the case of puppet theater "Satan" which under the attack of the IDE are regular guests at this restaurant as one who help him to ide. However, atIt was only in the distance with the crowd.

「(…… That is, not only in the distance. The city of refugees to kill the demon that Hideyoshi and one of the three major guild fortress city, it's absurd story )」

taro pot of steaming and boiling ingredients of the kitchen, while only one mouth to drink fruit juice. However, the firm's

「( IDE, woman. There was such a thing, but as always the hostess bar work.Still life with much of his work is a demon. No, but... After all, you know. There is no reason for not hurting you... " After the incident, too, that Lei immediately to dress like a demon killed, not only to watch the course "stunned at regular customers to us today to eat this business to come from the outside" and smiled. Will you still at home to us, as we all patrons, uniformly through silence. Too"... However, all thanks away after that, "ended soon after )」

patrons of puppet devil" is used under the corpse demon in the town cemetery burial of refugees in the Minotaur, powerless, as taro on the cart out of the work was to help release into the wild. At the damaged right away and help all of us for dinner, the guest house of the ide as did not come. Too"... He can't come in today. It's so... I need some time. " Taro pancake made of dessert knife, throw a snap. At the fluffy and soft dough, fresh taste of sweet heart is filled with happiness. Quiet flow at the store, taro, when another bite to eat pancakes.

「―― レイデーーーーーー!!!!!!! " TooFrom the entrance of the bar works come into the woman. Taro and hastily at the entrance to the entrance of the bar is repeated to breathe on the hands of Libera. Apparently, at today's case was heard to come. And the time difference and the thick black slim waist belt is wound on the tool bag, portable folding crossbow arrow, whip whip mounted equipment. Too
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