- ข้อความ
- ประวัติศาสตร์
03-11 侵入者「はあ、やっと終わった」 仁とマルシアは２人そろって
03-11 侵入者
「はあ、やっと終わった」
仁とマルシアは２人そろって溜め息をついた。
今まで、仁は焼け焦げた貸しドックの修理を、そしてマルシアは近隣への説明と詫びをしていたのである。
「もう夕方か……」
「今日は何も出来なかったな」
火事騒ぎで、船の調整など、競技の準備は何も出来ずに日が暮れてしまった。
「まあ、明日１日あるからな。あたしも、漁の手伝いは今日までだから」
「そっか。じゃあ明日は朝からシグナス白鳥にかかれるな」
そして仁は、ちょっと思いついたことを口にする。
「ところでマルシア、俺と礼子が乗れるようなボートって無いかな？」
シグナス白鳥にはマルシアとアローが乗るので、仁も船で海の上にいた方がいろいろな確認やら調整やらがやりやすい。
それを察したマルシアは、
「ああ、あるよ。あたしが漁の手伝いに使っていた小船が。それでいいかい？」
漁場の桟橋にもやってあるそうなので、それを明日は使う事にした。
その夜。
「礼子、悪いが、ドックのシグナス白鳥を監視していてくれないか？ また何か妨害でもされると厄介だから」
「わかりました。蓬莱からルーナを呼びます」
そう答えて、礼子は闇の中、蓬莱島へと続く転移門ワープゲートをくぐると、配下の少女ゴーレム、ソレイユとルーナを呼んだ。
「お姉さま、お呼びですか？」
「ええ。お父さまの命めいです。ルーナ、あなたは私と一緒にいらっしゃい。ソレイユ、あなたはこの蓬莱島を守護していなさい」
「わかりました」
そして再度ポトロックへ転移、
「説明したとおり、ルーナ、あなたはこのドックで、この船を守りなさい」
そしてそこにいたゴーレム、アローに向けて、
「アロー、この子もお父さまがお作りになったあなたの先輩です。船とドックの守護をさせます」
「ショウチイタシマシタ」
アローは、特に脚力を強化したゴーレムで、戦闘力はさほどでもない（本当の意味で、この世界標準で考えても低め）。なので外敵からの攻撃には弱い。
「あなたがお父さまのお作りになった一番新しい妹ね。まあ任せておきなさい」
「ハイ」
それを見届けた礼子は宿へと戻った。
礼子は眠る必要はない。仁が眠った後、周囲の気配を探りながら静かに佇む。いつもなら、朝が来るまでその状態のままであるはずだった。
「……侵入者、ですか」
戸締まりをしてある海鳴亭の裏口をこじ開けて入ってきた者が２名。だが、この時点ではまだ礼子は行動を起こさない。絶対の主人である仁が不利益を被らないなら何もするつもりはないのである。
「……２階へ上がってきましたか」
仁を起こさないようにそっと部屋を抜け出し、廊下に立つ。足音の主は、３階へと上がっていくようだ。３階にはマルシアが泊まっている部屋がある。
マルシアと共にゴーレム艇競技に出るのを楽しみにしている仁の事を思い、マルシアに何かあったらそれがフイになると判断した礼子は、音を立てずに侵入者に続いて３階へと上がっていった。
侵入者は３階へ着くと、部屋の名前を確認しながら、『ヘリン』という名前の部屋の前に立つ。そこが目的の部屋なのは一目瞭然。そしてそこはマルシアが泊まっている。
「こんな夜中に何の御用ですか」
「！？」
いきなり背後から声を掛けられた２人は硬直した。声を出さなかったことは誉めてもいいだろう。
振り向く２人、そこで見たのは水色のワンピースに白いエプロン姿の黒髪の美少女であった。
「何だあ？ こんな所に？ 怪しい奴め」
１人が小声でそう言った。それを聞いた礼子は、
「怪しいのはどっちですか。そこは女性が泊まっている部屋です。押し入る気ですか？」
すると、もう１人が無言のまま、ナイフを振りかざして礼子に襲いかかってきた。問答無用で黙らせることにしたらしい。
「！」
礼子を襲った男の手から一瞬でナイフが消える。
「こんなもので私に触れないで下さい」
いつの間にかそのナイフを手にしていた礼子。そしてそのナイフを指先で２つに折り、さらにそれを２つに折ってしまった。
「ひ……」
さすがにこれには驚いたらしく、小さな叫び声を上げる男。もう１人は、『ヘリン』の部屋に入ろうと、ドアの鍵をこじ開けているところ。
それを見て取った礼子は、時間優先と判断し、出力を今までの１０パーセントから２０パーセントへと上げた。
「ぐぇ」
鳩尾へ突き出された拳が一瞬で目の前の男の意識を刈り取り、更には鍵をこじ開けている男の首筋に手刀を叩き込む。
「がっ」
くずおれる侵入者２人。
「……ふう」
柄になく溜め息をつく礼子。２０パーセントで不殺ころさずは、力加減が非常に難しいのである。
２人の男を脇に抱える礼子。見る人がいたら非常にシュールな図であろう。
そのまま礼子は音も立てずに階段を下り、男達が開けた裏口から外へ。そこであらためて周囲の気配を探る、が、１キロ以内に怪しい気配は無かった。
しばらくは安全が確保されたと判断。
「どこかへ捨ててきましょうか」
そこで礼子は地面を蹴る。
音もなく駆ける礼子は、１５分ほど全力で駆け続け、そこに気絶したままの２人を下ろした。どこだか知らないが、遠くの町の裏通りである。
そして礼子はとって返し、仁の部屋へと戻った。
「あー、よく寝た」
朝、仁が目を覚ますと、そこにはいつも通りの礼子がいた。
「おはようございます、お父さま」
「ああ、おはよう。今日もいい天気みたいだな」
「あの、ちょっとお話が」
「ん？ どうした？」
礼子は昨夜のことを仁に説明した。話を聞いた仁は腕組みをして、
「うーん、なんというか、稚拙だな」
そして、一連の妨害めいた出来事を繋げてみる。
魔法工作士マギクラフトマンがぎりぎりまで見つからなかったこと。
魔石マギストーンが買い占められていたこと。
買った青銅の品質が悪すぎたこと。
ドックが放火されたこと。
そして、昨夜の侵入者。
町役場での魔法妨害魔法陣や、警備隊長が自分を狙っていたことには気が付いていない。
「マルシアが狙われている……？ いや、それにしてはやり方がおかしい」
挙げた妨害工作は、結果としてマルシアが競技に出場できなくするためのものだ。そんなことをする理由が思いつかない。
別に優勝候補というわけではないし、有名な造船工シップライトというわけでもない。
礼子が、侵入者を捉えたままにしておき、尋問出来ていれば何か分かったかも知れなかったのだが、もう言ってみても詮無いことである。
礼子にそこまでの配慮を求めるのは酷というものだ。
「まあ、理由はともかく、妨害なんかに屈してられないよな」
とりあえずそう結論づけた仁はゆっくりと仕度をし、１階へ下りていく。洗面用の井戸で顔を洗い、食堂へ行くともうマルシアがいた。
「お早う、マルシア」
「ああ、ジン。おはよう。今日は１日頼むよ」
そうして少し慌ただしく朝食を摂った２人は、身支度を調えると、連れ立って港へと向かった。
その少し前にルーナは貸しドックを去っていたので余計な騒ぎもなく、シグナス白鳥を浮かべたマルシアは、
「それじゃあジン、ここからむこうの港へ行ってくれ。そこにあたしの小船があるから」
そう言って、アローに漕がせ、マルシアはゆっくりと港を離れていった。
「よし、礼子、俺たちも行くか」
「はい、お父さま」
貸しドックに転がっていた融けかけた青銅の塊を礼子に持たせ、仁は漁師の使う港へと向かった。
20130426 13時
侵入者を捉えて尋問すれば良かったが、礼子にそこまでの配慮を期待するのは酷だという下りを、後書きにのみ書いてあるのはおかしいので本文中に追加しました。
礼子は擬似的に呼吸もしていますし、心音も聞こえるように出来ています。なので溜め息をつく、という人間くさい動作もするのです。
礼子が侵入者を尋問していれば良かったんでしょうけれど、そこまで配慮できませんでしたね。
さて、マルシアが狙われる理由とは？
お読みいただきありがとうございます。
「はあ、やっと終わった」
仁とマルシアは２人そろって溜め息をついた。
今まで、仁は焼け焦げた貸しドックの修理を、そしてマルシアは近隣への説明と詫びをしていたのである。
「もう夕方か……」
「今日は何も出来なかったな」
火事騒ぎで、船の調整など、競技の準備は何も出来ずに日が暮れてしまった。
「まあ、明日１日あるからな。あたしも、漁の手伝いは今日までだから」
「そっか。じゃあ明日は朝からシグナス白鳥にかかれるな」
そして仁は、ちょっと思いついたことを口にする。
「ところでマルシア、俺と礼子が乗れるようなボートって無いかな？」
シグナス白鳥にはマルシアとアローが乗るので、仁も船で海の上にいた方がいろいろな確認やら調整やらがやりやすい。
それを察したマルシアは、
「ああ、あるよ。あたしが漁の手伝いに使っていた小船が。それでいいかい？」
漁場の桟橋にもやってあるそうなので、それを明日は使う事にした。
その夜。
「礼子、悪いが、ドックのシグナス白鳥を監視していてくれないか？ また何か妨害でもされると厄介だから」
「わかりました。蓬莱からルーナを呼びます」
そう答えて、礼子は闇の中、蓬莱島へと続く転移門ワープゲートをくぐると、配下の少女ゴーレム、ソレイユとルーナを呼んだ。
「お姉さま、お呼びですか？」
「ええ。お父さまの命めいです。ルーナ、あなたは私と一緒にいらっしゃい。ソレイユ、あなたはこの蓬莱島を守護していなさい」
「わかりました」
そして再度ポトロックへ転移、
「説明したとおり、ルーナ、あなたはこのドックで、この船を守りなさい」
そしてそこにいたゴーレム、アローに向けて、
「アロー、この子もお父さまがお作りになったあなたの先輩です。船とドックの守護をさせます」
「ショウチイタシマシタ」
アローは、特に脚力を強化したゴーレムで、戦闘力はさほどでもない（本当の意味で、この世界標準で考えても低め）。なので外敵からの攻撃には弱い。
「あなたがお父さまのお作りになった一番新しい妹ね。まあ任せておきなさい」
「ハイ」
それを見届けた礼子は宿へと戻った。
礼子は眠る必要はない。仁が眠った後、周囲の気配を探りながら静かに佇む。いつもなら、朝が来るまでその状態のままであるはずだった。
「……侵入者、ですか」
戸締まりをしてある海鳴亭の裏口をこじ開けて入ってきた者が２名。だが、この時点ではまだ礼子は行動を起こさない。絶対の主人である仁が不利益を被らないなら何もするつもりはないのである。
「……２階へ上がってきましたか」
仁を起こさないようにそっと部屋を抜け出し、廊下に立つ。足音の主は、３階へと上がっていくようだ。３階にはマルシアが泊まっている部屋がある。
マルシアと共にゴーレム艇競技に出るのを楽しみにしている仁の事を思い、マルシアに何かあったらそれがフイになると判断した礼子は、音を立てずに侵入者に続いて３階へと上がっていった。
侵入者は３階へ着くと、部屋の名前を確認しながら、『ヘリン』という名前の部屋の前に立つ。そこが目的の部屋なのは一目瞭然。そしてそこはマルシアが泊まっている。
「こんな夜中に何の御用ですか」
「！？」
いきなり背後から声を掛けられた２人は硬直した。声を出さなかったことは誉めてもいいだろう。
振り向く２人、そこで見たのは水色のワンピースに白いエプロン姿の黒髪の美少女であった。
「何だあ？ こんな所に？ 怪しい奴め」
１人が小声でそう言った。それを聞いた礼子は、
「怪しいのはどっちですか。そこは女性が泊まっている部屋です。押し入る気ですか？」
すると、もう１人が無言のまま、ナイフを振りかざして礼子に襲いかかってきた。問答無用で黙らせることにしたらしい。
「！」
礼子を襲った男の手から一瞬でナイフが消える。
「こんなもので私に触れないで下さい」
いつの間にかそのナイフを手にしていた礼子。そしてそのナイフを指先で２つに折り、さらにそれを２つに折ってしまった。
「ひ……」
さすがにこれには驚いたらしく、小さな叫び声を上げる男。もう１人は、『ヘリン』の部屋に入ろうと、ドアの鍵をこじ開けているところ。
それを見て取った礼子は、時間優先と判断し、出力を今までの１０パーセントから２０パーセントへと上げた。
「ぐぇ」
鳩尾へ突き出された拳が一瞬で目の前の男の意識を刈り取り、更には鍵をこじ開けている男の首筋に手刀を叩き込む。
「がっ」
くずおれる侵入者２人。
「……ふう」
柄になく溜め息をつく礼子。２０パーセントで不殺ころさずは、力加減が非常に難しいのである。
２人の男を脇に抱える礼子。見る人がいたら非常にシュールな図であろう。
そのまま礼子は音も立てずに階段を下り、男達が開けた裏口から外へ。そこであらためて周囲の気配を探る、が、１キロ以内に怪しい気配は無かった。
しばらくは安全が確保されたと判断。
「どこかへ捨ててきましょうか」
そこで礼子は地面を蹴る。
音もなく駆ける礼子は、１５分ほど全力で駆け続け、そこに気絶したままの２人を下ろした。どこだか知らないが、遠くの町の裏通りである。
そして礼子はとって返し、仁の部屋へと戻った。
「あー、よく寝た」
朝、仁が目を覚ますと、そこにはいつも通りの礼子がいた。
「おはようございます、お父さま」
「ああ、おはよう。今日もいい天気みたいだな」
「あの、ちょっとお話が」
「ん？ どうした？」
礼子は昨夜のことを仁に説明した。話を聞いた仁は腕組みをして、
「うーん、なんというか、稚拙だな」
そして、一連の妨害めいた出来事を繋げてみる。
魔法工作士マギクラフトマンがぎりぎりまで見つからなかったこと。
魔石マギストーンが買い占められていたこと。
買った青銅の品質が悪すぎたこと。
ドックが放火されたこと。
そして、昨夜の侵入者。
町役場での魔法妨害魔法陣や、警備隊長が自分を狙っていたことには気が付いていない。
「マルシアが狙われている……？ いや、それにしてはやり方がおかしい」
挙げた妨害工作は、結果としてマルシアが競技に出場できなくするためのものだ。そんなことをする理由が思いつかない。
別に優勝候補というわけではないし、有名な造船工シップライトというわけでもない。
礼子が、侵入者を捉えたままにしておき、尋問出来ていれば何か分かったかも知れなかったのだが、もう言ってみても詮無いことである。
礼子にそこまでの配慮を求めるのは酷というものだ。
「まあ、理由はともかく、妨害なんかに屈してられないよな」
とりあえずそう結論づけた仁はゆっくりと仕度をし、１階へ下りていく。洗面用の井戸で顔を洗い、食堂へ行くともうマルシアがいた。
「お早う、マルシア」
「ああ、ジン。おはよう。今日は１日頼むよ」
そうして少し慌ただしく朝食を摂った２人は、身支度を調えると、連れ立って港へと向かった。
その少し前にルーナは貸しドックを去っていたので余計な騒ぎもなく、シグナス白鳥を浮かべたマルシアは、
「それじゃあジン、ここからむこうの港へ行ってくれ。そこにあたしの小船があるから」
そう言って、アローに漕がせ、マルシアはゆっくりと港を離れていった。
「よし、礼子、俺たちも行くか」
「はい、お父さま」
貸しドックに転がっていた融けかけた青銅の塊を礼子に持たせ、仁は漁師の使う港へと向かった。
20130426 13時
侵入者を捉えて尋問すれば良かったが、礼子にそこまでの配慮を期待するのは酷だという下りを、後書きにのみ書いてあるのはおかしいので本文中に追加しました。
礼子は擬似的に呼吸もしていますし、心音も聞こえるように出来ています。なので溜め息をつく、という人間くさい動作もするのです。
礼子が侵入者を尋問していれば良かったんでしょうけれど、そこまで配慮できませんでしたね。
さて、マルシアが狙われる理由とは？
お読みいただきありがとうございます。
0/5000
03-11 intruder"The Ah, finally ended. Jin and Marcia are two, sighed. Until now, Jin has burnt burnt rental dock repairs and Marcia had explained to a neighbor and apologetic."It is nearly evening..."And what we didn't do today. In the fire and preparing for competitions such as the adjustment of the ship is unable to have after dark."Well, tomorrow from 1 a. I also help fishing until today so."I see. And then tomorrow morning hope on Cygnus the Swan. And Jin, I came up with that mouth."By the way what boat you Marcia, Reiko and I can ride like no? 」 Confirmation is by boat on the sea were Marcia and arrow on Cygnus the Swan, so Jin various Yara adjustments easier. Marcia, it is"Oh, there. But I'm used to help fishing boat. It good? 」 You use it tomorrow, so things are done to the fishing pier. That night."Reiko, but won't be monitored dock Cygnus the Swan? Also be something disturbing and annoying so.' Okay. Called Luna from Penglai. Answer Yes, Reiko is passing under the transfer gate warp gate leads to the Penglai island in the dark and under the girl called the Golem, Soleil and Luna."Uncalled for a sister, or? 」' Yes. It is about your father. Luna, you come with me. No patron horai island and you are."I see" And again transferred to the pot rock,"As described, Luna, you are at this dock ship Soceity." And Golem was present, the arrow towards the"Is your arrow and her father made senior. The patron of the boat and the dock.See showtiitashimashita. Arrow at the Golem especially increased leg strength, combat power is not very much (in the true sense, standard in the world, think low). Because it is vulnerable to attacks from the enemy."I made you my father's youngest sister. Well let."Hai" Reiko saw it returned to hotel. You don't need sleep, Reiko. After Jin slept standing quietly while exploring the surrounding signs. Until the morning comes he always was supposed to be in that State.「…… Is the intruder, " 戸締まりをしてある海鳴亭の裏口をこじ開けて入ってきた者が２名。だが、この時点ではまだ礼子は行動を起こさない。絶対の主人である仁が不利益を被らないなら何もするつもりはないのである。「……２階へ上がってきましたか」 仁を起こさないようにそっと部屋を抜け出し、廊下に立つ。足音の主は、３階へと上がっていくようだ。３階にはマルシアが泊まっている部屋がある。 マルシアと共にゴーレム艇競技に出るのを楽しみにしている仁の事を思い、マルシアに何かあったらそれがフイになると判断した礼子は、音を立てずに侵入者に続いて３階へと上がっていった。 侵入者は３階へ着くと、部屋の名前を確認しながら、『ヘリン』という名前の部屋の前に立つ。そこが目的の部屋なのは一目瞭然。そしてそこはマルシアが泊まっている。「こんな夜中に何の御用ですか」「！？」 いきなり背後から声を掛けられた２人は硬直した。声を出さなかったことは誉めてもいいだろう。 振り向く２人、そこで見たのは水色のワンピースに白いエプロン姿の黒髪の美少女であった。「何だあ？ こんな所に？ 怪しい奴め」 １人が小声でそう言った。それを聞いた礼子は、「怪しいのはどっちですか。そこは女性が泊まっている部屋です。押し入る気ですか？」
すると、もう１人が無言のまま、ナイフを振りかざして礼子に襲いかかってきた。問答無用で黙らせることにしたらしい。
「！」
礼子を襲った男の手から一瞬でナイフが消える。
「こんなもので私に触れないで下さい」
いつの間にかそのナイフを手にしていた礼子。そしてそのナイフを指先で２つに折り、さらにそれを２つに折ってしまった。
「ひ……」
さすがにこれには驚いたらしく、小さな叫び声を上げる男。もう１人は、『ヘリン』の部屋に入ろうと、ドアの鍵をこじ開けているところ。
それを見て取った礼子は、時間優先と判断し、出力を今までの１０パーセントから２０パーセントへと上げた。
「ぐぇ」
鳩尾へ突き出された拳が一瞬で目の前の男の意識を刈り取り、更には鍵をこじ開けている男の首筋に手刀を叩き込む。
「がっ」
くずおれる侵入者２人。
「……ふう」
柄になく溜め息をつく礼子。２０パーセントで不殺ころさずは、力加減が非常に難しいのである。
２人の男を脇に抱える礼子。見る人がいたら非常にシュールな図であろう。
そのまま礼子は音も立てずに階段を下り、男達が開けた裏口から外へ。そこであらためて周囲の気配を探る、が、１キロ以内に怪しい気配は無かった。
しばらくは安全が確保されたと判断。
「どこかへ捨ててきましょうか」
そこで礼子は地面を蹴る。
音もなく駆ける礼子は、１５分ほど全力で駆け続け、そこに気絶したままの２人を下ろした。どこだか知らないが、遠くの町の裏通りである。
そして礼子はとって返し、仁の部屋へと戻った。
「あー、よく寝た」
朝、仁が目を覚ますと、そこにはいつも通りの礼子がいた。
「おはようございます、お父さま」
「ああ、おはよう。今日もいい天気みたいだな」
「あの、ちょっとお話が」
「ん？ どうした？」
礼子は昨夜のことを仁に説明した。話を聞いた仁は腕組みをして、
「うーん、なんというか、稚拙だな」
そして、一連の妨害めいた出来事を繋げてみる。
魔法工作士マギクラフトマンがぎりぎりまで見つからなかったこと。
魔石マギストーンが買い占められていたこと。
買った青銅の品質が悪すぎたこと。
ドックが放火されたこと。
そして、昨夜の侵入者。
町役場での魔法妨害魔法陣や、警備隊長が自分を狙っていたことには気が付いていない。
「マルシアが狙われている……？ いや、それにしてはやり方がおかしい」
挙げた妨害工作は、結果としてマルシアが競技に出場できなくするためのものだ。そんなことをする理由が思いつかない。
別に優勝候補というわけではないし、有名な造船工シップライトというわけでもない。
礼子が、侵入者を捉えたままにしておき、尋問出来ていれば何か分かったかも知れなかったのだが、もう言ってみても詮無いことである。
礼子にそこまでの配慮を求めるのは酷というものだ。
「まあ、理由はともかく、妨害なんかに屈してられないよな」
とりあえずそう結論づけた仁はゆっくりと仕度をし、１階へ下りていく。洗面用の井戸で顔を洗い、食堂へ行くともうマルシアがいた。
「お早う、マルシア」
「ああ、ジン。おはよう。今日は１日頼むよ」
そうして少し慌ただしく朝食を摂った２人は、身支度を調えると、連れ立って港へと向かった。
その少し前にルーナは貸しドックを去っていたので余計な騒ぎもなく、シグナス白鳥を浮かべたマルシアは、
「それじゃあジン、ここからむこうの港へ行ってくれ。そこにあたしの小船があるから」
そう言って、アローに漕がせ、マルシアはゆっくりと港を離れていった。
「よし、礼子、俺たちも行くか」
「はい、お父さま」
貸しドックに転がっていた融けかけた青銅の塊を礼子に持たせ、仁は漁師の使う港へと向かった。
20130426 13時
侵入者を捉えて尋問すれば良かったが、礼子にそこまでの配慮を期待するのは酷だという下りを、後書きにのみ書いてあるのはおかしいので本文中に追加しました。
礼子は擬似的に呼吸もしていますし、心音も聞こえるように出来ています。なので溜め息をつく、という人間くさい動作もするのです。
礼子が侵入者を尋問していれば良かったんでしょうけれど、そこまで配慮できませんでしたね。
さて、マルシアが狙われる理由とは？
お読みいただきありがとうございます。
すると、もう１人が無言のまま、ナイフを振りかざして礼子に襲いかかってきた。問答無用で黙らせることにしたらしい。
「！」
礼子を襲った男の手から一瞬でナイフが消える。
「こんなもので私に触れないで下さい」
いつの間にかそのナイフを手にしていた礼子。そしてそのナイフを指先で２つに折り、さらにそれを２つに折ってしまった。
「ひ……」
さすがにこれには驚いたらしく、小さな叫び声を上げる男。もう１人は、『ヘリン』の部屋に入ろうと、ドアの鍵をこじ開けているところ。
それを見て取った礼子は、時間優先と判断し、出力を今までの１０パーセントから２０パーセントへと上げた。
「ぐぇ」
鳩尾へ突き出された拳が一瞬で目の前の男の意識を刈り取り、更には鍵をこじ開けている男の首筋に手刀を叩き込む。
「がっ」
くずおれる侵入者２人。
「……ふう」
柄になく溜め息をつく礼子。２０パーセントで不殺ころさずは、力加減が非常に難しいのである。
２人の男を脇に抱える礼子。見る人がいたら非常にシュールな図であろう。
そのまま礼子は音も立てずに階段を下り、男達が開けた裏口から外へ。そこであらためて周囲の気配を探る、が、１キロ以内に怪しい気配は無かった。
しばらくは安全が確保されたと判断。
「どこかへ捨ててきましょうか」
そこで礼子は地面を蹴る。
音もなく駆ける礼子は、１５分ほど全力で駆け続け、そこに気絶したままの２人を下ろした。どこだか知らないが、遠くの町の裏通りである。
そして礼子はとって返し、仁の部屋へと戻った。
「あー、よく寝た」
朝、仁が目を覚ますと、そこにはいつも通りの礼子がいた。
「おはようございます、お父さま」
「ああ、おはよう。今日もいい天気みたいだな」
「あの、ちょっとお話が」
「ん？ どうした？」
礼子は昨夜のことを仁に説明した。話を聞いた仁は腕組みをして、
「うーん、なんというか、稚拙だな」
そして、一連の妨害めいた出来事を繋げてみる。
魔法工作士マギクラフトマンがぎりぎりまで見つからなかったこと。
魔石マギストーンが買い占められていたこと。
買った青銅の品質が悪すぎたこと。
ドックが放火されたこと。
そして、昨夜の侵入者。
町役場での魔法妨害魔法陣や、警備隊長が自分を狙っていたことには気が付いていない。
「マルシアが狙われている……？ いや、それにしてはやり方がおかしい」
挙げた妨害工作は、結果としてマルシアが競技に出場できなくするためのものだ。そんなことをする理由が思いつかない。
別に優勝候補というわけではないし、有名な造船工シップライトというわけでもない。
礼子が、侵入者を捉えたままにしておき、尋問出来ていれば何か分かったかも知れなかったのだが、もう言ってみても詮無いことである。
礼子にそこまでの配慮を求めるのは酷というものだ。
「まあ、理由はともかく、妨害なんかに屈してられないよな」
とりあえずそう結論づけた仁はゆっくりと仕度をし、１階へ下りていく。洗面用の井戸で顔を洗い、食堂へ行くともうマルシアがいた。
「お早う、マルシア」
「ああ、ジン。おはよう。今日は１日頼むよ」
そうして少し慌ただしく朝食を摂った２人は、身支度を調えると、連れ立って港へと向かった。
その少し前にルーナは貸しドックを去っていたので余計な騒ぎもなく、シグナス白鳥を浮かべたマルシアは、
「それじゃあジン、ここからむこうの港へ行ってくれ。そこにあたしの小船があるから」
そう言って、アローに漕がせ、マルシアはゆっくりと港を離れていった。
「よし、礼子、俺たちも行くか」
「はい、お父さま」
貸しドックに転がっていた融けかけた青銅の塊を礼子に持たせ、仁は漁師の使う港へと向かった。
20130426 13時
侵入者を捉えて尋問すれば良かったが、礼子にそこまでの配慮を期待するのは酷だという下りを、後書きにのみ書いてあるのはおかしいので本文中に追加しました。
礼子は擬似的に呼吸もしていますし、心音も聞こえるように出来ています。なので溜め息をつく、という人間くさい動作もするのです。
礼子が侵入者を尋問していれば良かったんでしょうけれど、そこまで配慮できませんでしたね。
さて、マルシアが狙われる理由とは？
お読みいただきありがとうございます。
การแปล กรุณารอสักครู่..
03-11 intruder
"Ha, finally ended,"
Jin and Marcia sighed aligned two people.
Until now, Jin repair of burnt rental dock, and Marcia is had to the description and apologized to neighboring.
"The other evening or ......"
"Do not do anything today"
in a fire turmoil, such as the ship of the adjustment, preparation of the competition got dark the day without being able to do anything.
"Well, also Do not. I from A Day tomorrow, because the help of fishing's until today."
"I see. So lean on Na in Cygnus swan from the morning tomorrow."
eat that and Jin, I came up a little.
"By the way Marcia, there is no kana? I me and Reiko like can ride the boat"
because Marcia and Arrows ride in the Cygnus swan, Jin also is easy to do Yara are various confirmation Yara adjusted person who was on top of the sea by boat.
The Marcia you have guessed it,
"Oh, by some. boat that I was using to help the fishing is. So mind you?"
because it seems are also doing the fishing grounds of the pier, it was to that tomorrow you use. That night. "Reiko, it is bad, do not you have to monitor the Cygnus swan of the dock? Also something because it is cumbersome and also be in interference" and "I understand. This is called the Luna from Penglai" so answer, Reiko of darkness medium, and Passing through the transition Gate warp gate leading to the Isle of the Immortals, was called under the girl golem, the Soleil and Luna. "Sister, Is and?" "Yes. It is a life niece of your father. Luna, you like to come with me. Soleil, you please have patron this the Isle of the Immortals." "Okay," and again transition to Potorokku, and "as described, Luna, in you this dock, this Defend the ship" and golem who was in there, towards the arrow, you "Arrow, this child also that your father has become Otsukuri of is a senior. You let the ship and the dock patron " "small Chi Ita Shimashita" Arrow, not particularly in the golem with enhanced leg strength, combat power is even less (in the true sense of the term, low to be considered in this world standard) . So it is vulnerable to attacks from predators. "You are most ne new sister became Otsukuri of your father. Well leave Put aside" "Yes," went back to it and Mitodoke was Reiko inn. Reiko does not need to sleep. After Jin slept, and standing quietly while exploring around the sign. If always, it was supposed to remain in that state until the morning comes. "...... Intruder, Is" two people who came into forced open the back door of Umina-tei which are to lock the door. But, still Reiko does not take action at this time. Is the absolute master Hitoshi is not going to do anything you do not suffer from the disadvantages. "Did we came up to the second floor ......" gently so as not to cause the Jin to escape the room, standing in the hallway. Lord footsteps, seems to go up to the third floor. Is on the third floor there is a room that Marcia is staying. I think that of Jin you are looking forward to get out to the golem boat competition together with Marcia, Reiko that if there something to Marcia it is determined to be blowing, up to the third floor Following the intruder without making a sound I went. If the intruder get to the third floor, while confirming the name of the room, stand in front of the room named "Helin". The obvious of which is the purpose of the room. And there is Marcia is staying. "What does patronage in this middle of the night." "!?" was suddenly the two people that have been multiplied by a voice from behind rigid. That it has not issued a voice it would be good to praise. 2 people, where the saw was a black hair girl in the white apron to the light blue of the dress turn around. "What Daa? In a place like this? Suspicious guy Me" one person said so in a low voice. Reiko heard it, "suspicious of the Which Is. It's a room that women are staying. It is mind intrude either?" Then, one person remains silent, has been attacked Reiko by brandishing a knife . It seems to have decided to silence in the questions asked. "!" Reiko knife disappears in an instant from the hand of the man that struck. "Do not touch me in such a thing," Reiko that imperceptibly had to hand the knife. And folded into two at your fingertips the knife, we've further broke it in two. "Fire ......" seemed surprised to this truly, man to raise a small cry. The other one, when about to enter the room of "Helin", where you are forced open the key to the door. Reiko you Miteto~tsu it determines that the time priority, raising the output of 10% to until now to 20%. "Gu~e" fist that was projected to dovetail momentarily mowing the consciousness of the previous man eyes, even impress upon him the Chop to the nape of the man who forced open the key. "Therefore" two Kuzuoreru intruder. "...... Fu" Reiko to sigh without the handle. Is not killed killing not at 20 percent, the power adjustment is very difficult. Reiko facing the two men aside. it would be very surreal figure if anyone can see. As it is Reiko down the stairs without even stand the sound, out of the back door of the men was opened. So once again explore the periphery of the sign, but, suspicious signs within one kilometers was not. A while determined that safety is ensured. "Do let's have thrown away to somewhere" where Reiko kick the ground. Reiko multiplying without a sound, continues ran at full power for about 15 minutes, it was down two people remain fainted there. Where I do not know whether it is, but it is a back street of a distant town. And Reiko Tottekaeshi, we went back to the Jin of the room. "Oh, well I slept," morning, when Jin wakes up, the usual Reiko had there. "Good morning, your father." "Oh, good morning. Na seems good weather today." "Well, a little story is," "do? What is it?" is Reiko I explained to Jin that of last night. Jin heard the story with his arms folded, "Well, I mean what, Na's childish" and, try connecting the event was enigmatic series of interference. that magic tool mechanic Magi craftsman was not found until the last minute. that magic stone Magi Stone had been bought up. That the quality of bronze that I bought was too evil. that the dock has been arson. And, last night of the intruder. Magic interference magic and at the town hall, it is not noticed is that the Captain had been aimed at him. "...? No, Marcia has been targeted to be in it funny way" sabotage that was mentioned, something of the order to not be able to compete in Marcia is the competition as a result. The reason for such a thing can not think. Do not mean that apart from winning candidates, nor does it mean that the famous shipbuilding Engineering ship lights. Reiko, leave it captured the intruder, but I do what did not may have found it if it can be questioned, it is Sen'nai can even try to say anymore. It is something that is cruel to ask the attention to the bottom to Reiko. "Well, why aside, Do not you not have succumbed to interfere with something" so it concluded was Hitoshi the time being was slowly Shitaku, to go down to the first floor. Wash the face with a well for the basin, and the other Marcia was stomach and go to the cafeteria. "Good morning, Marcia" "Oh, Jin. Good morning. I ask one day today," two people who took thus breakfast a little hectic, when raise money to get dressed and headed to the harbor by Tsureda~tsu. The little Luna before is neither extra commotion because I had left the rental dock, is Marcia which was floated Cygnus swan, "Well then gin, here from me to go to the other side of the harbor. there because there is a me of boat " to say so, was koga to Arrow, Marcia went slowly away from the harbor. "Beauty, Reiko, us also go either" "Yes, your father," and to have a mass of bronze that was about to melt, which had been lying to lend dock to Reiko, Jin was headed to the port to use the fisherman. 20130426 13:00 Although I should have questioned it captures the intruder, a downlink that's cruel to expect the attention to the bottom to Reiko, has been added in the text because it Aru's funny wrote only in postscript. Reiko then you have also artificially breathing, it can as heart sound is also heard. So sigh, it is to be human stinking behavior of. But it will do Reiko was good if interrogating the intruder, I could not care up there. Well, the reason that Marcia is targeted? Thank you for reading.
"Ha, finally ended,"
Jin and Marcia sighed aligned two people.
Until now, Jin repair of burnt rental dock, and Marcia is had to the description and apologized to neighboring.
"The other evening or ......"
"Do not do anything today"
in a fire turmoil, such as the ship of the adjustment, preparation of the competition got dark the day without being able to do anything.
"Well, also Do not. I from A Day tomorrow, because the help of fishing's until today."
"I see. So lean on Na in Cygnus swan from the morning tomorrow."
eat that and Jin, I came up a little.
"By the way Marcia, there is no kana? I me and Reiko like can ride the boat"
because Marcia and Arrows ride in the Cygnus swan, Jin also is easy to do Yara are various confirmation Yara adjusted person who was on top of the sea by boat.
The Marcia you have guessed it,
"Oh, by some. boat that I was using to help the fishing is. So mind you?"
because it seems are also doing the fishing grounds of the pier, it was to that tomorrow you use. That night. "Reiko, it is bad, do not you have to monitor the Cygnus swan of the dock? Also something because it is cumbersome and also be in interference" and "I understand. This is called the Luna from Penglai" so answer, Reiko of darkness medium, and Passing through the transition Gate warp gate leading to the Isle of the Immortals, was called under the girl golem, the Soleil and Luna. "Sister, Is and?" "Yes. It is a life niece of your father. Luna, you like to come with me. Soleil, you please have patron this the Isle of the Immortals." "Okay," and again transition to Potorokku, and "as described, Luna, in you this dock, this Defend the ship" and golem who was in there, towards the arrow, you "Arrow, this child also that your father has become Otsukuri of is a senior. You let the ship and the dock patron " "small Chi Ita Shimashita" Arrow, not particularly in the golem with enhanced leg strength, combat power is even less (in the true sense of the term, low to be considered in this world standard) . So it is vulnerable to attacks from predators. "You are most ne new sister became Otsukuri of your father. Well leave Put aside" "Yes," went back to it and Mitodoke was Reiko inn. Reiko does not need to sleep. After Jin slept, and standing quietly while exploring around the sign. If always, it was supposed to remain in that state until the morning comes. "...... Intruder, Is" two people who came into forced open the back door of Umina-tei which are to lock the door. But, still Reiko does not take action at this time. Is the absolute master Hitoshi is not going to do anything you do not suffer from the disadvantages. "Did we came up to the second floor ......" gently so as not to cause the Jin to escape the room, standing in the hallway. Lord footsteps, seems to go up to the third floor. Is on the third floor there is a room that Marcia is staying. I think that of Jin you are looking forward to get out to the golem boat competition together with Marcia, Reiko that if there something to Marcia it is determined to be blowing, up to the third floor Following the intruder without making a sound I went. If the intruder get to the third floor, while confirming the name of the room, stand in front of the room named "Helin". The obvious of which is the purpose of the room. And there is Marcia is staying. "What does patronage in this middle of the night." "!?" was suddenly the two people that have been multiplied by a voice from behind rigid. That it has not issued a voice it would be good to praise. 2 people, where the saw was a black hair girl in the white apron to the light blue of the dress turn around. "What Daa? In a place like this? Suspicious guy Me" one person said so in a low voice. Reiko heard it, "suspicious of the Which Is. It's a room that women are staying. It is mind intrude either?" Then, one person remains silent, has been attacked Reiko by brandishing a knife . It seems to have decided to silence in the questions asked. "!" Reiko knife disappears in an instant from the hand of the man that struck. "Do not touch me in such a thing," Reiko that imperceptibly had to hand the knife. And folded into two at your fingertips the knife, we've further broke it in two. "Fire ......" seemed surprised to this truly, man to raise a small cry. The other one, when about to enter the room of "Helin", where you are forced open the key to the door. Reiko you Miteto~tsu it determines that the time priority, raising the output of 10% to until now to 20%. "Gu~e" fist that was projected to dovetail momentarily mowing the consciousness of the previous man eyes, even impress upon him the Chop to the nape of the man who forced open the key. "Therefore" two Kuzuoreru intruder. "...... Fu" Reiko to sigh without the handle. Is not killed killing not at 20 percent, the power adjustment is very difficult. Reiko facing the two men aside. it would be very surreal figure if anyone can see. As it is Reiko down the stairs without even stand the sound, out of the back door of the men was opened. So once again explore the periphery of the sign, but, suspicious signs within one kilometers was not. A while determined that safety is ensured. "Do let's have thrown away to somewhere" where Reiko kick the ground. Reiko multiplying without a sound, continues ran at full power for about 15 minutes, it was down two people remain fainted there. Where I do not know whether it is, but it is a back street of a distant town. And Reiko Tottekaeshi, we went back to the Jin of the room. "Oh, well I slept," morning, when Jin wakes up, the usual Reiko had there. "Good morning, your father." "Oh, good morning. Na seems good weather today." "Well, a little story is," "do? What is it?" is Reiko I explained to Jin that of last night. Jin heard the story with his arms folded, "Well, I mean what, Na's childish" and, try connecting the event was enigmatic series of interference. that magic tool mechanic Magi craftsman was not found until the last minute. that magic stone Magi Stone had been bought up. That the quality of bronze that I bought was too evil. that the dock has been arson. And, last night of the intruder. Magic interference magic and at the town hall, it is not noticed is that the Captain had been aimed at him. "...? No, Marcia has been targeted to be in it funny way" sabotage that was mentioned, something of the order to not be able to compete in Marcia is the competition as a result. The reason for such a thing can not think. Do not mean that apart from winning candidates, nor does it mean that the famous shipbuilding Engineering ship lights. Reiko, leave it captured the intruder, but I do what did not may have found it if it can be questioned, it is Sen'nai can even try to say anymore. It is something that is cruel to ask the attention to the bottom to Reiko. "Well, why aside, Do not you not have succumbed to interfere with something" so it concluded was Hitoshi the time being was slowly Shitaku, to go down to the first floor. Wash the face with a well for the basin, and the other Marcia was stomach and go to the cafeteria. "Good morning, Marcia" "Oh, Jin. Good morning. I ask one day today," two people who took thus breakfast a little hectic, when raise money to get dressed and headed to the harbor by Tsureda~tsu. The little Luna before is neither extra commotion because I had left the rental dock, is Marcia which was floated Cygnus swan, "Well then gin, here from me to go to the other side of the harbor. there because there is a me of boat " to say so, was koga to Arrow, Marcia went slowly away from the harbor. "Beauty, Reiko, us also go either" "Yes, your father," and to have a mass of bronze that was about to melt, which had been lying to lend dock to Reiko, Jin was headed to the port to use the fisherman. 20130426 13:00 Although I should have questioned it captures the intruder, a downlink that's cruel to expect the attention to the bottom to Reiko, has been added in the text because it Aru's funny wrote only in postscript. Reiko then you have also artificially breathing, it can as heart sound is also heard. So sigh, it is to be human stinking behavior of. But it will do Reiko was good if interrogating the intruder, I could not care up there. Well, the reason that Marcia is targeted? Thank you for reading.
การแปล กรุณารอสักครู่..
Intruder alarm
「 11, 1993, Jin and Marcia 2 people sigh together. Up to now, at the dock for repair of burnt, burnt, and Jin Marcia and explanation to apologize for it.
「 anymore... Evening... " In today is not any fire (1993), such as the adjustment of the preparations for the games, but I can't do anything. Well, tomorrow is the day
「. I will help you, because of 」
「 until today.Well, tomorrow morning to see swan Cygnus (1993) and Jin, just hit it. Marcia, as in a boat ride and Reiko me not? " So at the swan Cygnus, Marcia and arrow on a variety of Jin in the ship on the sea it is easy to do and make adjustment. It is understood to
「 Oh, Marcia. But I use a boat to help fishery. Is that all? " AtBecause it is in the fishing pier, it will use tomorrow. That night, too. Bad
「 Reiko, dock, swan Cygnus me to watch? Also found that something is troubling and 」
「 interference. So to answer calls from 1993 to Luna in darkness, horai Reiko, passing through the transfer gate that leads to the warp gate horai-jima Golem, girl, Luna Soleil. My sister,
「 call? "
「 well. My father's life.Luna, you come with me. Soleil, you found yourself 」
「 Shugo (1993), and with this horai-jima pot to be locked again 、
「 Luna in this transition, you must keep your ship, dock and Golem (1993), there 、
「 arrow toward the arrow, the father of this child make your senior. 」
「 ショウチイタシマシタ 1993 arrow will dock and the shipIn particular, to strengthen the strength of the combat power does not, in the true sense in this world would think). So weak from enemy attack. But your father's
「 make the best sister. Reiko well to keep high 」
「 (1993) see it back to the hotel. Reiko does not sleep. After sleeping, exploring the surrounding quiet standing still. If it remains in this state until the morning comes.
「…… Invaders, 1993)2 person back to the healing restaurant is forced to enter the name of the doors. However, at this point in time is not yet Reiko action. Absolute master is not going to suffer any disadvantage is.
「…… I was so as not to wake up to the second floor to Jin (1993) out of the room quietly, standing in the hall. The main steps of the way up to the second floor. There are staying on the third floor room, Marcia. AtHe thought it would be fun to go out of the boat in the competition with the Golem of Marcia, Reiko determines what Marcia if it to be, without making any noise at the intruder, and followed up. Arrive at the intruder to the third floor, room, the name of "standing in front of their name and the room. There is a purpose of the room. Marcia and stayed there. What do you want 」
「！？」
「 at this time of night At
「 11, 1993, Jin and Marcia 2 people sigh together. Up to now, at the dock for repair of burnt, burnt, and Jin Marcia and explanation to apologize for it.
「 anymore... Evening... " In today is not any fire (1993), such as the adjustment of the preparations for the games, but I can't do anything. Well, tomorrow is the day
「. I will help you, because of 」
「 until today.Well, tomorrow morning to see swan Cygnus (1993) and Jin, just hit it. Marcia, as in a boat ride and Reiko me not? " So at the swan Cygnus, Marcia and arrow on a variety of Jin in the ship on the sea it is easy to do and make adjustment. It is understood to
「 Oh, Marcia. But I use a boat to help fishery. Is that all? " AtBecause it is in the fishing pier, it will use tomorrow. That night, too. Bad
「 Reiko, dock, swan Cygnus me to watch? Also found that something is troubling and 」
「 interference. So to answer calls from 1993 to Luna in darkness, horai Reiko, passing through the transfer gate that leads to the warp gate horai-jima Golem, girl, Luna Soleil. My sister,
「 call? "
「 well. My father's life.Luna, you come with me. Soleil, you found yourself 」
「 Shugo (1993), and with this horai-jima pot to be locked again 、
「 Luna in this transition, you must keep your ship, dock and Golem (1993), there 、
「 arrow toward the arrow, the father of this child make your senior. 」
「 ショウチイタシマシタ 1993 arrow will dock and the shipIn particular, to strengthen the strength of the combat power does not, in the true sense in this world would think). So weak from enemy attack. But your father's
「 make the best sister. Reiko well to keep high 」
「 (1993) see it back to the hotel. Reiko does not sleep. After sleeping, exploring the surrounding quiet standing still. If it remains in this state until the morning comes.
「…… Invaders, 1993)2 person back to the healing restaurant is forced to enter the name of the doors. However, at this point in time is not yet Reiko action. Absolute master is not going to suffer any disadvantage is.
「…… I was so as not to wake up to the second floor to Jin (1993) out of the room quietly, standing in the hall. The main steps of the way up to the second floor. There are staying on the third floor room, Marcia. AtHe thought it would be fun to go out of the boat in the competition with the Golem of Marcia, Reiko determines what Marcia if it to be, without making any noise at the intruder, and followed up. Arrive at the intruder to the third floor, room, the name of "standing in front of their name and the room. There is a purpose of the room. Marcia and stayed there. What do you want 」
「！？」
「 at this time of night At
การแปล กรุณารอสักครู่..
ภาษาอื่น ๆ
การสนับสนุนเครื่องมือแปลภาษา: กรีก, กันนาดา, กาลิเชียน, คลิงออน, คอร์สิกา, คาซัค, คาตาลัน, คินยารวันดา, คีร์กิซ, คุชราต, จอร์เจีย, จีน, จีนดั้งเดิม, ชวา, ชิเชวา, ซามัว, ซีบัวโน, ซุนดา, ซูลู, ญี่ปุ่น, ดัตช์, ตรวจหาภาษา, ตุรกี, ทมิฬ, ทาจิก, ทาทาร์, นอร์เวย์, บอสเนีย, บัลแกเรีย, บาสก์, ปัญจาป, ฝรั่งเศส, พาชตู, ฟริเชียน, ฟินแลนด์, ฟิลิปปินส์, ภาษาอินโดนีเซี, มองโกเลีย, มัลทีส, มาซีโดเนีย, มาราฐี, มาลากาซี, มาลายาลัม, มาเลย์, ม้ง, ยิดดิช, ยูเครน, รัสเซีย, ละติน, ลักเซมเบิร์ก, ลัตเวีย, ลาว, ลิทัวเนีย, สวาฮิลี, สวีเดน, สิงหล, สินธี, สเปน, สโลวัก, สโลวีเนีย, อังกฤษ, อัมฮาริก, อาร์เซอร์ไบจัน, อาร์เมเนีย, อาหรับ, อิกโบ, อิตาลี, อุยกูร์, อุสเบกิสถาน, อูรดู, ฮังการี, ฮัวซา, ฮาวาย, ฮินดี, ฮีบรู, เกลิกสกอต, เกาหลี, เขมร, เคิร์ด, เช็ก, เซอร์เบียน, เซโซโท, เดนมาร์ก, เตลูกู, เติร์กเมน, เนปาล, เบงกอล, เบลารุส, เปอร์เซีย, เมารี, เมียนมา (พม่า), เยอรมัน, เวลส์, เวียดนาม, เอสเปอแรนโต, เอสโทเนีย, เฮติครีโอล, แอฟริกา, แอลเบเนีย, โคซา, โครเอเชีย, โชนา, โซมาลี, โปรตุเกส, โปแลนด์, โยรูบา, โรมาเนีย, โอเดีย (โอริยา), ไทย, ไอซ์แลนด์, ไอร์แลนด์, การแปลภาษา.
- ฉันให้เธอ
- Human life was divided into seven ages
- A seventh child
- Blogger is channel that the professor le
- ที่อยู่ 99/9 ตำบลบ้านบึง อำเภอบ้านบึง จั
- อัพลง
- กอหญ้า
- ถ้าเขาล็อคประตูคุณก็ต้องหากุญแจ และกุญแจ
- วันหนึ่งเจ้าลิงเดินถือเมล็ดลูกพลับมาด้วย
- ฉันรู้ว่าคุณต้องมีคนพูดคุยกับคุณเยอะ
- กอหญ้า
- • The question of defining rurality henc
- Frame 2: One of the down quarks is trans
- ได้ทำคุณงามความดีช่วยเหลือสังคม และสมควร
- เผยปพร่
- rn the battery pins inside to fix the ba
- น่ารัก
- กล้วยฉาบปรุงรส
- Possess Objects
- • The question of defining rurality henc
- ฉันให้เธอ
- farmers markets
- ตักอาหาร
- Do I get to see since I guessed?
